NTT、今後のM&Aは「クラウド」がテーマ

NTT鵜浦博夫副社長のインタビュー。

インタビュー:今後のM&Aは「クラウド」がテーマに=NTT副社長 - ロイター

 ――ディメンション買収のシナジー効果をどう考えるか。

 「完全子会社化は12月中旬に完了する見込み。シナジー効果は、1)両社の顧客へのクロスセル、2)新規案件の協業、3)クラウドビジネスの強化――になる。NTTのクラウドの強みは、アプリケーション、ネットワーク、端末までのエンド・ツー・エンドのサービスになるだろう。ディメンションは企業のシステム構築やメンテナンスを手掛けていて顧客に最も近いので、クラウドのアフターケアはひとつの売りになるだろう」

 ――今後のM&Aのテーマは何か。

 「クラウドがテーマになる。今後、ICTとクラウドはイコールになる。クラウド市場がどのように変化していくかという中で、自分たちで開発するべきか、スピード感を増すためにM&Aをやるべきか、もしくはアライアンスをやるべきかを判断することになる」

 「この新しい市場に挑戦するため、ディメンションとキーンの買収で基本的な形はできた。ただ、5―10年先を考えると、この形だけでは済まない。市場の変化や技術の変化に対応していける体制を作っていく」

 ――クラウド市場の変化をどのように見通すか。

 「クラウドの市場はまだまだ伸びて行く。しかし、残念ながらクラウドとはコストダウンのサービスなので、価格競争は厳しくなっていく。全体の市場は伸びながら厳しい競争の中でどういう強みや差別化ができるかがポイントだ。クラウドの分野では、老舗からベンチャーまでさまざまなプレーヤーが登場する中、NTTがどのようなポジショニングを得ることができるかが、これからの勝負。われわれは通信キャリアの強みを生かしながら、新しい力をつけて行く」