Coopetition

前回書いた「precompetitiveとは」と似たようなところで、Coopetition*1という用語もよく見かける。

これは予想がつくとおりcooperationとcompetitionを合わせた用語だが、Wikitionaryにはこんな解説がある。

A relationship between two companies involving competition in some segments and cooperation in others.

Wikipediaにも項目がある。

Coopetition - Wikipedia

これまたスマートグリッドの分野を見ていると出てくる用語だが、電力から通信、ソフトウェア、自動車、電池、再生可能エネルギー関連とあらゆる分野が組み合わさることになるこの分野は、今の段階では、至るところでCoopetitionが見られることになるし、そういう中での戦い方を考えていかなくてはいけない。

文献を調べると、タイトルそのままの『Co-Opetition』という本がある。

Co-Opetition

Co-Opetition

1997年に出たものだが、2010年12月にもコメントが付いている。ゲーム理論を理解するにも良さそうな本だ。

*1:前回同様、ハイフンが入っているCo-opetitionという綴りもある

precompetitiveとは

スマートグリッドなどの新しい技術分野のことを調べていると、時々目にする"precompetitive"*1という言葉。"precompetitive research"とか"precompetitive technology"という感じで出てくることが多い。

東京大学大学院の田中秀幸教授の「中間領域がつなぐ研究開発パートナーシップ」(PDF)によれば、研究開発領域を

  1. Competitive
  2. Precompetitive
  3. Noncompetitive

の3つのレベルに分けた上で

企業の競争力を確保するために必要な技術基盤であるが、一社だけではその研究開発を遂行が困難な領域がprecompetitiveな領域である。

と紹介している。

Wiktionaryにも項目が立てられていて、そこには次のように定義されている。

describing the early stages of the development of a commercial product, during which competitors collaborate

以下のリンクにもprecompetitiveについていくつか発言がある。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/12/gakujutu/gijiroku/004/980601.htm

スマートグリッドのような分野は、さまざまな業種の企業が集まって、ひとつのものを作っていくことになり、いわゆる理想的な状態になるまでには比較的時間がかかるので、まさにprecompetitiveな取り組みと言えるんだろう。

時間を見つけて、そういう取り組みにおける課題や実例などをもう少し色々と調べてみる。

*1:ハイフンがある"pre-competitive"という綴りも見かける

海水ウラン捕集技術の研究開発

日本原子力研究開発機構JAEA)高崎量子応用研究所。レアメタルもぜひ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101208/217470/

 海水には77種類の元素が溶存しており、チタンやリチウム、コバルト、バナジウムなどレアメタルも多数存在する。中でもウランは、鉱山ウランの埋蔵量の実に1000倍に匹敵する量が存在すると推定されている。

 各国による原子力発電所の開発ラッシュが続く一方で、鉱山ウランの枯渇が危惧される中、約30年前から、海水ウランの捕集技術の研究開発に取り組んでいる機関がある。日本原子力研究開発機構JAEA)の高崎量子応用研究所だ。

パナ電工の省エネ事業

システムだけじゃなくて、サービスもということで。
2019年4月16日 | 日刊工業新聞 電子版

 パナソニック電工は2011年度にもビルや店舗設備の運用を見直して省エネルギー化する「省エネチューニング」の提供を始める。フロアの空調・照明を制御する統合コントローラーを使ったビルエネルギー管理システム(BEMS)を活用する。従来の省エネ設備や計測・制御機器の販売に加えて、診断や調整などサービスを組み合わせて顧客ニーズに応えるソリューション事業を推進する。
 建物の使用状況はテナントや就労状態などにより、設計時の条件とは日々変化している。既存の空調や照明を建物の実際の使い方に合わせて、最適状態に調整することで10―15%のエネルギー消費量抑制を狙う。

ERP管理の実態

よくありそうな話ではあるが、改めてきちんと押さえておく。
http://www.ciojp.com/contents/?id=00006892;t=0

 もう1件の調査リポートはITコンサルティング会社、モーガンフランクリンが発表したもので、さらに深刻なアプリケーション・スプロールの問題を浮き彫りにしている。同社がオラクルの年次イベント「Collaborate 2010」で調査した350人の回答者のうち、自社のERPアプリケーションの機能をすべて把握してないと答えた人が53%もいたという。

 さらに、ERPシステムのカスタマイズについては、ほとんど知らない回答者が半数もいた。モーガンフランクリンでマネジャーを務めるアニール・ゴエル氏は、調査リポートにおいて「カスタマイズについて十分知っていないと、アップグレードの時期が延び延びになり、コストが増す」と指摘している。

 「これらの調査から、ERPの既存機能、および現在の投資に対する回収率を最大限高める方法について、ユーザーを教育する余地が大いにあることがわかる」とゴエル氏は述べた。