SmartGridCityのコスト増の原因

Xcel Energy社のスマートグリッドプロジェクトについては、このblogでも二度ほど紹介しています。

http://d.hatena.ne.jp/smartworld/20090911/1252609781
http://d.hatena.ne.jp/smartworld/20090811/1249927730

その後、このプロジェクトがどうなったのかについては、いろいろと議論されていますが、最近こんな記事が出ていました。

http://earth2tech.com/2010/02/09/xcel%e2%80%99s-smartgridcity-can-thank-fiber-for-ballooning-costs/

これによると、このSmartGridCityプロジェクトのために当初見積もっていたのは1,530万ドル*1だったようなのですが、それを新たに4,210万ドル*2に引き上げたようです。しかも、記事によると、これには保守・運用のためのコストが含まれていないとのことなので、それを含めると1億ドル*3を超えるだろうとのこと。

このコスト増の原因となっているのが、光ファイバの敷設にかかる費用のようです。

According to Xcel, it’s the cost of building the fiber optic network that serves as the backbone of SmartGridCity’s communications, a task that was given to consortium partner Current Group, that’s mainly responsible for the ballooning cost. Not only did the utility need far more underground fiber than it originally anticipated, it also faced other unexpected costs, such as using diamond-tipped drill bits to tear through granite and bringing in cranes and dump trucks to remove boulders, the utility reported in a May document.

と書かれているように、光ファイバを敷設するためにかかった関連費用込みでとのことですが、理由がなんであれ、当初の予定より大幅にかかってしまっているわけです。

そうなると気になるのが、そのコストを誰が持つのかということですが、

Until now, Xcel and its SmartGridCity partners have footed the entire bill for the project without a rate increase, said utility spokesman Tom Henley.

(中略)

Rumors that SmartGridCity was facing fiber-related cost overruns have been circulating for some time.

ということで、それがハッキリするのはもう少し先になりそうです。

記事中にもリンクがはられているように、コストの負担については、パートナーとの調整もうまくいってないことが報じられています。

Xcel Sought Millions from Start-Ups For SmartGridCity | Greentech Media

電力会社としても、スマートメーターを設置したからといって、急に売上が上がるわけではない(むしろ節約されて下がる可能性もあるわけですからね)ので、そのような中で、現実的に、どうやってプロジェクトを進めていくかというのは、今後、もっと議論になってくるところでしょう。

今後、このような課題はどんどん増えてくるかもしれませんね。

*1:1ドル90円で換算すると、約13億7,700万円

*2:同じく換算すると、約37億8,900万円

*3:一応ですが、約90億円