クラウドとミドルウェア

少し古い記事で、しかも言われてみれば当たり前と言えば当たり前なんですが、クラウドと企業システムを考える視点として、参考になった下記の記事を紹介します。

・《SAPジャパンに聞く、クラウド・コンピューティング戦略》 “クラウド・ビックバン”は来ない
http://itnp.net/category_betsu/16/2521/

他のソフトウェアベンダーと比較して、SAPはあまり「クラウド」ということを全面には押し出していませんが、その理由が垣間見られるインタビュー記事となっています。

インタビューの前半で、

本来はビジネス上の課題を解決することが主目的のITにあって、クラウドという技術トレンドに過度にスポットが当たっている議論を耳にすることがある。

とありますが、SAPとしては、


今後、5年間程度のスパンで見たときに企業が考えるべきことは、どの部分をクラウドにし、どの部分を非クラウドとして残すのか。また、クラウド化したシステムと、オンプレミス(既存の自社保有型)のシステム間をどう連携させていくのか。この2点が重要だ。

という、極々当たり前の点を強調しています。

そうすると、考えなくてはいけないのが、様々な仕組みのシステムが混在している状態で、ビジネスプロセスをどう管理していくかということです。

その点については、次のような発言がありました。


 SAPが主として提供しているは業務アプリケーションのレイヤを考えると、どの業務がどういったハード、OS、データベースで実行されていようとも、業務は受注・出荷・売上とつながっている必要がある。これを、アプリケーションとそれを稼働させるミドルウェアのレイヤで、きちんと連携できるよう統合しているのが「SAP NetWeaver」であり、この組み合わせをビジネスプロセス・プラットフォーム(BPP)と呼んでいる。

 一方、その更に下層のハードウエアやデータベースの仮想化や統合は、IT部門だけで行えて簡単な代わりに、その効果もIT面での効果だけだ。日本企業の IT予算は製造業で1.5%程度。このわずか1.5%を効率化するのがハードウエアの仮想化だ。SAPは残りの98%以上のビジネス活動そのものをどう効率化するかに焦点を当てている。

こうして読んでみると、冒頭に書いたように、全体を通して当たり前の話ではあるのですが、改めてミドルウェアに注目するきっかけになったので紹介をしました。

ちょうど、手元にある日経コンピュータ2009年8月5日号の中に「転換期迎えるミドルウエア 仮想化対応やメモリー活用が進む」という記事があるので、きちんと読んでみようと思います。